使用者がどの位の頻度でピアノを弾いているかによって異なります。音大を目指して毎日数時間、練習をしている方の場合、音の狂いは大きくなります。その様な場合、6か月に1度を目安にされるのが理想的です。
しかし、通常趣味で弾かれている方でしたら1年に1度の 調律をお勧め致します。もし、現在使っておられない場合でも最長2年毎に調律をされる方が良いでしょう。なぜなら、湿度・温度の変化により音程に変化が生じますし、ピアノの弦1本には80kg~85kgの張力(1台のピアノには約230本の弦が張られていますので合計で20tにもなります)が掛かっており、ご使用にならなくとも1年経過すると弦は伸び、音程は下がるからです。
音程について:その場合の調律には通常の定期調律の倍、約3時間を要しますが音程を取り戻すことが出来ます。しかし、毎年調律をなさっていたピアノと異なり、久しぶりの調律後は弦の伸び率が大きく、音程の下がる率も大きくなります。弦の伸び率を標準的なピアノにするためにはどうしても毎年の定期調律を必要とします。2回目の調律以降は弦の伸び率は標準にかなり近づきますのでご安心ください。
音色について:そのピアノ本来の音色を引き出すにはその定期調律を4~5年繰り返す必要があります。本当に良い調律が施されていくとピアノがだんだん鳴る様になって行く事にお気づきになると思います。音色が硬すぎる場合や柔らかすぎて音量が足りない場合などの明らかな異常の場合も稀にありますが、ハンマーなどに必要な修理を施すなどして元の音色をかなりの程度取り戻すことが出来ますのでご相談ください。
当調律工房は一人でも多くのお客様たちに再びピアノを演奏する楽しみを味わって頂きたいと思い、10年以上調律をされていないピアノでも良心的な料金で調律をさせて頂いております。
タッチが重く感じられるのは鍵盤の重さの問題ではなく、タッチの深さの問題か音量の不足の問題であることが殆どです。タッチの深さの場合:タッチの深さの標準は1cmに定まっています。許容範囲はプラスマイナス0.1mmです。0.1mm 違うとタッチはかなり違って感じます。0.2mmタッチを深くするとピアノを弾いた時の感触はかなり重く感じます。約1時間半の作業で調整致します。また、音量が足りないとタッチは重く感じます。逆に過剰の場合や音色が硬すぎる場合等は、軽く感じられます。どちらの場合もいくつかの原因があり、ユーザーとご相談しながら対処いたします。
実際物理的にタッチが重い、または軽い、という場合も稀にありますが、その場合は少し大がかりになりますが、鍵盤に取り付けてある錘(おもり)を調整することが出来ます。
ピアノの状態によっても作業時間が異なりますが、通常1、2時間位です。
ピアノはとても寿命の長い楽器です。適切な管理や気配りが必要ですが、親子二代のみならずお孫さんまで使用しておられる方もいらっしゃいます。
設置場所・湿度を適正に保つことなどの気配り、更に異常を早期に発見し処置を施すための定期調律は必須と言えるでしょう。 楽器は良く管理された状態で弾き込むほどに良く響くようになります。当工房にあるピアノの内、80才を超えるピアノが最高齢ですが、美しく豊かに鳴っており